治療報告(皮膚編)
2020年2月19日
2020年2月19日
こんにちわ。ずっと寒くない気候が続いていたのが、急に冷え込んだりするので体調管理が難しいですね。新型コロナウイルスも気になりますので、私は手洗いうがいをこまめに行なっております。
前回フレンチブルドッグの‘らん‘をご紹介させていただきました。するとその投稿を見てくださった方が来院していただき、らんのことをお話しすることができました。
その時に載せたらんの写真は、治療してからの姿なので「治療前の状態がわからないけど皮膚はキレイだった」と仰って頂いたので、とても嬉しかったです。
今回はbefore-afterの写真を載せて、比較していただこうと思います。
まずは、beforeの写真です。
うちの子になったばかりの頃で、治療は何も行なっていない状態です。
お腹側の皮膚の症状がとても重症でした。強いかゆみがあり、毛が抜けてほとんど無くなって、皮膚は分厚くなりゴワゴワしていて、黒く変色していました。
またネバネバしたフケがたくさん落ちてきました。
早急に痒みを止めてあげたかったので、ステロイドを開始しました(1〜2日で痒がる様子は減ってきましたよ)。ステロイドは長期の使用をしたくなかったので、免疫抑制剤も同時期にスタートしました。免疫抑制剤は効果が出てくるのに1ヶ月ほど時間がかかるため、ステロイドを徐々に減らして中止する頃には効果が出てくるようにするためです。
スキンケアのために、薬浴つまりシャンプーですが週2回行いました。炭酸泉に浸かってからシャンプー剤で皮膚表面の洗浄をして、最後に保湿剤を入れたお湯に浸けるという工程で行いました。皮膚と毛を乾かした後もセラミド配合の保湿剤をたっぷりと使用しました。
初めの1ヶ月間は、痒みはほとんど無くなりフケの量が減ってきたという変化はありましたが、皮膚の状態にはほとんど変化が見られなかったです。しかし治療を開始して1ヶ月ちょっと経った頃に顎から首にかけて毛が生えてきたのを見つけて、すごく喜んだのを覚えています。
それ以降は加速がついたようにどんどん皮膚の状態も良くなってきました。皮膚のゴワゴワが少なくなって、黒くなっていた皮膚の色が徐々にピンク色になってきました。同時に短い毛があちこちから生えてきているのを見つけ、ものすごくやりがいを感じられました。
左の写真が、治療開始後1ヶ月経過した時の写真です。
右の写真は同じポーズではありませんが、治療開始後3ヶ月くらいです。
現在でも行なっている治療は、免疫抑制剤を3日に1回飲ませていることと、2月からは薬浴を週に1回にして継続していますので、治療はかなり少なくなりました。ステロイドの内服は1ヶ月くらいで終了しているのですが、外用のステロイド剤を週に1〜2回は使用しています。
らんはアトピーが主な原因だと考えていますが、食物有害反応(食物アレルギー)も疑われたので食事も処方食に変更しています。
皮膚に関しては治療効果があり、良くなってきている実感と満足感もあります。
ただ、1月の下旬から認知機能不全症候群(認知症)の症状が出てきており、それが2月に入ってから急激に進行してきています。
今では、皮膚の治療よりも認知症の対応にウエイトを置くようにしています。
今後は、高齢犬としてどのような暮らしをしているかをご紹介できたらと思っています。