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好発犬種

2021年11月4日

2021年11月4日

こんにちわ。急激に季節が進んで、朝晩は寒くなってきましたね。アトピーで外耳炎を繰り返すワンちゃん達は、ようやく症状が落ち着いて来る季節ではないでしょうか。

今年の暑かった頃(7月か8月だったと思います)に、メリーの散歩中に頭をプルプル振る様子が出るようになりました。まさか…と思い、垂れた耳たぶを上げて見てみると、左耳の入り口に耳垢が結構ついていました。

恐れていたアトピー症状の発見です。両耳ではなかったものの、2歳3〜4ヶ月齢での発症ですし、室内飼育ですし、ゴールデンレトリバーですし…、とアトピーと判断する材料に次々と当てはまっていました。

「まぁ、まだ片耳だし。」と耳掃除とステロイドの点耳薬で余裕の対応をしていました。すると9月には右耳に大量の耳垢を発見!

両側性の外耳炎です。もうアトピーと決定しました。本来なら除去食試験をして食物アレルギーを否定しておきたいものですが、除去食用のフードが、(大型犬ですし)一気に高くなるため諦めました。スレロイドや免疫抑制剤の内服も一瞬考えましたが、体重も23kgありますので、フレンチブルのランの時のようにはホイホイと使えず、ステロイドの外用療法のみで経過を見ることにしました。

現時点では定期的に耳洗浄をして外用薬も使いつつ、油断すると耳垢は増えますが頭を振る症状を見ることもなく落ち着いています。

歳をとっていくごとに症状が悪化することが予想されますので、食事の変更や内服薬の使用も治療に加えて行かないといけなくなると思うと、憂鬱です(コストがかかるなぁ〜)。

ところで、好発犬種ってご存知ですか?

「ある病気にかかりやすい犬種」と思っていただければよいかと思います。ゴールデンレトリバーはアトピーだけではなく、目の病気や腫瘍などにも好発犬種としてかなり多くの病気に登場してきます。

私がメリーを迎え入れたのが1歳4ヶ月くらいの頃でしたが、高齢になったらなんらかの腫瘍になるのではと覚悟をして迎え入れました。

その予想を上回ってきたことがメリーに起こりました。

先月の中旬に、散歩から帰ってきていつも通り足を拭いていると、後ろ足の肉球のすぐ脇の毛が抜けて、皮膚がぷくっと膨らんでるのに気づきました。舐めてる姿を見たこともなく、その膨らみを触っても嫌がらないのでその時はあんまり気にせずにいました。

毎日の散歩の後にその変化のない膨らみを見ているうちに、だんだん気になってきました。膿でもたまっていないか圧迫しても、何も出てくるものはありませんでした。

炎症なのか腫瘍なのかをはっきりさせたくて、細胞診をしてみました。注射針をそこに刺して、針先に入った細胞を染色して顕微鏡でみてみる検査を細胞診と言います。麻酔もしなくていいので安心で、炎症なのか腫瘍なのかは判断できます。確定診断はなかなかできないのですが、この検査で特定の細胞だけが増えてきていると腫瘍と考えて、次は手術で摘出するという判断にもつながりますので、「これ(腫瘤)、なんだろう?」と考えて心配しているくらいなら、さっさと細胞診をしてしまった方が良いと思います。

さて、メリーのその細胞診の結果ですが、これが炎症とも腫瘍とも言い難い細胞が見られましたので、答え合わせに病理医の意見を聞きたくて外注検査に出しました。

結果は『組織球腫の可能性が高い』と帰ってきました。組織球腫は良性の腫瘍で、若い子に見られる腫瘍です。自然に腫瘍が消失するので摘出手術もせずに様子を見ています。

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現時点では、毛はまだ生えていませんが膨らみがなくなりペッタンこになっております。

今回は良性の腫瘍でしたが、さすがはゴールデンレトリバーと痛感しました。若いからって油断できないです。

ただ、麻酔をかける機会があったらついでに歯石除去をしようと虎視眈々と狙っていましたが、「メリーの口、クサイ!」と、うちの子ども達からの非難はもう少し続きそうです。

 

 

 
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