ブログ|富田林市で動物病院をお探しの方はスージー動物病院まで


誤食に注意を

2025年2月2日

2025年2月2日

2025年が明け、本日はもう節分を迎えました。年々、暦が進むスピードが速く感じるようになってきます。昨年の3月から、夜間救急の動物病院に週に1日だけ診察に参加させてもらうようになり、もうすぐ1年が経とうとしており、本当にあっという間に1年が過ぎようとしていて、驚きを感じています。

スージー動物病院での日常の診察でも、時々食べてはいけない物(食べ物や、食べ物でない物など様々)を誤食してしまったということで診察をすることがありますが、夜間救急病院では1日に何頭も誤食を主訴として受診される犬・猫さんがいます。

「1日に何件もって、大げさだな〜」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に多いんです‼︎

週に1日だけの勤務を1年近く続けてきた中で、『誤食』が主訴の子が来院されない日はなかったと記憶しております。

私が担当していなくても、他の獣医師が催吐(さいと;薬を使って嘔吐させることです)処置を行なって、「ウェッ〜」と吐く音が聞こえてきます。多いときは、処置室のあちこちで、「ウェッ〜」「オェ・オェッ」と聞こえてくる日も時々あります。

食べた物が催吐処置で吐き出せた場合はまだ良いのですが、吐き出せなかったり、縫い針などの吐かせることが危険な物を飲み込んでしまった場合は、内視鏡で取り出します。

内視鏡までする事例はそんなに多くはなく、圧倒的に催吐処置をすることが多いです。

この1年間で、とても印象に残っている物を誤食した子のお話を1つさせていただこうと思います。

体重が5kg前後の小型犬だったと思いますが、容量が85gの〝らっきょうの酢漬け〟を全部食べてしまったということで来院されました。「食べた姿を見てはいないが、テーブルに置いて少しその場を離れて戻ると、中身の無くなった袋だけが残されていたので、食べただろう」と飼い主様が仰っていました。

レントゲン撮影をしてみると、胃の中に〝らっきょう〟の形をしたものがいっぱい詰まっていました。

すぐさま、催吐処置をしました。嘔吐を誘発させるお薬を注射して10分くらい経った頃でしょうか。「ゴン、ゴン、ボタッ、ボタッ、ボタッ・・・」と硬いものが診察台に落ちる音が、思わず振り返ってしまうほどの大きな音を鳴らして、らっきょうが次々とその子の口から落下してきました。

らっきょうがそのままの形でたくさん出てきました。吐いたもの全てを集めて膿盆というトレーのようなものに移し換えると、らっきょうが山盛りになっていました。重さを測ってみると約80gほどですので、ほぼほぼ吐ききったと考えましたが、食べたものがワンちゃんにとって害のあるものですので、万が一、少しでもらっきょうが残っていると〝玉ねぎ中毒〟の症状が出るかもしれないので…とお話しし、胃の中が空っぽになっているかを確認するために内視鏡検査をするかを相談しました。

その時の飼い主様は、内視鏡検査は望まれなかったので診察終了となりました。

夜間病院ではその後の経過を追えないことが多く、その子が問題なく元気にしてくれているか分からないのが残念なのですが、きっと主治医の先生によく診てもらっていると信じております。

その後の経過については、まだ心配しないといけないことがあります。

それは、「誤食をする子は、盗食・誤食を繰り返す」ことです。

実際、夜間救急病院を受診するなんて、その子の一生に1回あるかないかのイベントだと思うのですが、誤食してしまう子の中には何回も夜間病院を受診して催吐処置をしている子もいます。

飼育環境に問題があったり、注目獲得など飼い主様との関わりの中で出てしまうケースもありますので

、催吐処置をした子の飼い主様に『繰り返さないための予防策』をお伝えしたいのですが、夜間の救急病院ではゆっくりお話しする時間がありません。

飼い主様には、「〝日本獣医行動研究会〟のホームページに認定医とプラクティショナー〟がいる動物病院さんの一覧が載っているので、お住いの近くにある行動診療科のある動物病院さんに相談して今後は誤食しない様に診てもらってはどうですか…」とお伝えして、診察を終了しています。

スージー動物病院には行動診療科があり、ゆっくりお話しする時間を確保できますので、誤食しない子でも何か行動学的な心配事があれば一度相談をしてくださいね。

 

 
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